映画

怪談(1965)

「切腹」の小林正樹監督が、小泉八雲の採集した怪談話４編を当時の日本映画界の総力を結集して映画化し、第１８回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞に輝いたオムニバス巨編。

もともとはギリシャ生まれの作家・日本研究家で、後に日本に帰化した、小泉八雲ことラフカディオ・ハーン。彼が、日本各地に伝わる話を採集した怪談話の中から、「雪女」「耳無し抱一の話」など、おなじみの怪奇譚を、撮影・宮島義勇、音楽・武満徹ら、一流の実力派スタッフと、岸惠子、仲代達矢、三國連太郎ほかのオールスターキャストで、重厚かつ耽美的に映画化。完全主義者として知られる小林監督の熱意が高じて、製作費は3億円以上にも膨らみ、作品の長さも3時間を超す、屈指のオムニバス巨編に仕上がった。