映画

狙撃者

女性に対する相反する２つの感情に引き裂かれた青年が、ライフル銃で女性たちを狙撃していくさまを鮮烈に描いた、本邦劇場未公開＆未ソフト化の戦慄のフィルムノワール。

赤狩りへの協力を拒否して服役した「ハリウッド・テン」のひとりで、出所後ただひとり協力者に転向したE・ドミトリク監督のハリウッド復帰作となった衝撃の問題作。後年の「ダーティハリー」などに先駆けて、いち早く連続射殺魔を題材に取り上げ、異常心理の持ち主たる彼が、自らの病理に苦しみながらもその衝動をいかんとも抑えがたく、ライフル銃で次々と女性たちを狙い撃ちしていくという本作の内容は、現代の観客が見てもなおスリルとインパクト十分。主人公の息詰まる運命の行く末は最後まで目が離せない。