暗黒政権による大量虐殺という悲運の歴史を歩んだカンボジア。当時盛んだったテニスは完全に消滅したが、現在は国際舞台に立つまでに。20年余りに及ぶ再興の軌跡に迫る。
暗黒政権により悲運の歴史を歩んだカンボジア。1970年代後半、国民は強制労働を強いられ、学識のある者たちは徹底的に虐殺された。国民は勉強することも、スポーツをすることも、笑うことも許されなかった。90年代、文字どおりゼロから立ち上げられたカンボジアテニス連盟。暗黒政権時に国外亡命したテニス選手の子息や、虐殺を生き延びた選手らは荒れ果てたコートを再整備し、子どもたちに一からテニスを教えた。恵まれぬ環境ではあるが、20年以上にわたり選手たちを育成し、テニス教育を推し進めてきた。そして、男子テニス・カンボジア代表は、国別対抗戦デビスカップに出場するまでになった。テニス連盟事務局長ら関係者が一丸となって作り上げたプログラムで育った若い選手たちは今、歴史を感じながら国際舞台に立ち、祖国の威信を懸け戦う。(2015年)
出演
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ナレーション板谷由夏