ドキュメンタリー
ノンフィクションW 天才作曲家・早坂文雄 幻のテープが語る「七人の侍」

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ノンフィクションW 天才作曲家・早坂文雄 幻のテープが語る「七人の侍」

映画音楽の巨星・早坂文雄。41歳で早逝した天才は黒澤明の唯一無二の“親友”だった。『七人の侍』の音楽には、映画音楽の黎明期を駆け抜けた2人の戦いが隠されていた。

黒澤映画『生きものの記録』の音楽を創作中急逝した早坂を黒澤は惜しみ、その喪失感は長く黒澤の中に跡を遺した。仕事上ばかりでなく、芸術全般に対する考え方、生活者として、早坂と黒澤のあいだには、他人の容喙(ようかい)を許さない「友情」が結ばれていた。7年間、計8本に及ぶ早坂と黒澤の映画づくり、それは日本の映画音楽黎明期を駆け抜けた日々でもあった。
テレビ初公開となる黒澤映画に携わった時の早坂の日記帳、作曲ノート、音楽コンテといった資料、『七人の侍』録音時の“幻”の6ミリテープを通して、音楽家・早坂文雄の実像に迫り、映画史上の傑作となった『七人の侍』が誕生した時間へとご案内する。黒澤明と早坂文雄という偉大な芸術家同士の一瞬の火花のような交流・命がけの「友情」の姿を明らかにする。

ノンフィクションW 天才作曲家・早坂文雄 幻のテープが語る「七人の侍」

映画音楽の巨星・早坂文雄。41歳で早逝した天才は黒澤明の唯一無二の“親友”だった。『七人の侍』の音楽には、映画音楽の黎明期を駆け抜けた2人の戦いが隠されていた。

2014年に生誕100年を迎えた音楽家・早坂文雄。結核のため41歳で早逝する短い生涯に、膨大な映画音楽やコンサートで演奏される「純音楽」を残した。なかでも、『七人の侍』をはじめ黒澤明監督作品に早坂が作曲した音楽は、映画音楽の歴史に決定的な変革をもたらした。
早坂文雄の遺品の中に彼が黒澤明作品に携わったときの日記帳や作曲ノート、音楽コンテ、黒澤との間で交わした手紙がある。それらには、作品の生みの苦しみや誕生の瞬間が克明に綴られている。それまで、映画の添え物とされていた音楽だが、その考え方を根底から覆したのが黒澤と早坂だ。音楽は映画の重要な要素と考える黒澤が、肺結核を患い闘病中の早坂の病室に編集機を持ち込み音楽を書かせることもあり、制作は過酷を極めた。
『七人の侍』のテーマ曲は、黒澤の執ような要求に苦しんだ早坂が、一度はボツにした案を黒澤に披露。黒澤が「それだ!」と叫び決まったという。この曲のダビングを記録した6ミリテープが奇跡的に残っており、これは、日本初のオリジナルサウンドトラックである。その後、黒澤との8本目の仕事となる『生きものの記録』制作途中、早坂は急逝。彼の葬儀は、“親友”の死を悼んだ黒澤が生涯でただ一度“演出”した葬儀となった。(2014年)

出演

  • 出演
    久石譲
  • ナレーション
    宮沢りえ

スタッフ

  • ドキュメンタリー音楽
    清水靖晃
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