映画

リアリティー

第６５回カンヌ国際映画祭において、イタリアの鬼才Ｍ・ガローネ監督が前作の「ゴモラ」から２作連続でグランプリ受賞の快挙を果たした、現代の寓話というべき風刺喜劇。

前作の「ゴモラ」ではナポリに拠点を置く巨大犯罪組織の実態を迫真のタッチで鋭く描き、世界中で絶賛を博したガローネ監督が、本作ではその主題や作風をガラリと一変。ごく平凡で庶民的な男性が、オーディションで素人たちをキャストに抜擢するTVの人気リアリティー番組に出たいと切望するあまり、次第に夢と現実を混同して自らを見失っていくさまを、まるでフェデリコ・フェリーニの映画を思わせるような陽気な祝祭感覚を交えて夢幻的に描き、2作連続でカンヌ国際映画祭グランプリの受賞を果たした。