映画

サバイビング・モロッコ

モロッコの町。男は愛する女性を救おうと、仲間たちと強盗計画に挑むが……。第６２回ベルリン国際映画祭パノラマ部門ＣＩＣＡＥ賞ほか各国映画祭で数々の賞に輝いた秀作。

世界遺産に登録されたテトゥアンの町だが貧しい者も多いようで、本作の主要登場人物も将来に希望もなく行き当たりばったりに生きる青年3人。イスラム教徒ながら飲酒をしたり、女性関係がにぎやかだったり、また中にはキリスト教徒に対する偏見を隠さない者がいたりと刺激的だ。しかし、テトゥアンの時間の流れがどこか気持ちよく、時に不思議に動くカメラワークも手伝い、主人公に思わず感情をつかまれるエモーショナルな逸品となった。第85回アカデミー賞の外国語映画賞にモロッコ代表作としてエントリーされた。