2012年、宝塚を退団した元宙組トップスター大空祐飛が退団後初舞台で蜷川幸雄作品に挑む。一度しか訪れない“男役”から“女優”へ生まれ変わる瞬間を完全密着で描く。
宝塚音楽学校に入学した15歳から退団までの20年間、宝塚の伝統の芸を高めることに集中し、精進してきた元宙組トップスター・大空祐飛。男役で頂点に立った彼女は、2013年に女優として新たなスタートを切った。復帰舞台として選んだのは、唐十郎が手掛けた戯曲を蜷川幸雄が演出する「唐版 滝の白糸」。だが宝塚がすべてだった彼女にとって、新たな表現となる“女性”を短期間で演じるのはたやすいことではなかった。大空が演じるのは、妖艶でありながら性悪性と優しさを併せ持つ水芸人・お甲。初舞台を東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンという大きなステージで演じることでも、注目を集めることに。大空は宝塚時代と同様に、完璧なステージを作るために血のにじむような努力を重ねていく。男役トップスターだった彼女が、新しい役“女優”を勝ち取っていく過程を千秋楽まで、蜷川幸雄の稽古場など完全密着する。(2013年)
出演
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ナレーション長谷川博己