映画

黒薔薇の館

高級サロンに夜ごと現われる謎の麗人と、彼女に魅せられ、人生を破滅させていく幾人もの男たち。深作欣二監督＆美輪（当時は丸山姓）明宏コンビによる「黒蜥蜴」の姉妹編。

「黒蜥蜴」の大ヒットを受け、深作監督が再び美輪明宏を主役の座に据え、その妖しいムードあふれる魅力を前面に押し出して作り上げた姉妹編。「黒蜥蜴」の華麗で濃厚な三島美学を踏襲しつつも、今回は深作監督と松田寛夫が共同でオリジナル脚本を執筆。美輪扮する謎の麗人を物語の軸に、その周囲に彼女を崇める幾人もの男たちを配し、彼らがすっかりその魔力のとりことなって破滅的な人生をたどる様子をけれんみたっぷりに綴る。小沢栄太郎、西村晃、田村正和らが息詰まる競演を披露するほか、題字を横尾忠則が担当。