ゴルフのコースレイアウトを決定するトーナメントディレクター。大会が白熱するような芝の長さやピンポジションを決めるなど、大会を裏側から盛り上げる名演出家に迫る。
LPGA女子ゴルフツアーの“コースの仕掛け人”トーナメントディレクターのジャネット・リンジー。15年前からLPGAで働く彼女の最大のミッションは、各選手の特徴や弱点を把握し、誰もが平等な試合運びができるようにコースを造ること。トーナメント期間中もかたわらにいる気象予報士から情報を随時収集し、天候や風向きを考慮した上でセッティングを施す。その上で、選手たちに難解なパズルを突きつけていくのだ。毎年、アメリカ・カリフォルニア州のミッション・ヒルズCCで行なわれるクラフト・ナビスコ選手権で、ジャネットは2013年のコースセッティングを担うことに。グリーンやラフの芝の長さや、ピンの位置などを決めるという。かつて同コースで、激しい地形の傾斜と芝目が反比例する仕掛けで選手の視覚を惑わせたジャネット。今回はどのような罠を張り巡らすのか? 選手との見えない駆け引きが始まる。