ミュージカル演出の鬼才がオペラに初挑戦。世界屈指の歌劇場メトロポリタン・オペラで観客はどう評価するのか。エンターテインメントの街アメリカ・NYの栄光と現実を追う
約130年の歴史を持ちながら、ピーター・ゲルブが総裁に就任後、常に革新を続けてきたMET。オペラは曲や詞を変えられないため、“演出”の力を発展の軸とし、これまでさまざまなジャンルの演出家を招いてきた。そんなMETに挑むのは、マイケル・メイヤー。「モダン・ミリー」「春のめざめ」でトニー賞を受賞するなど、ミュージカル演出で知られる巨匠だ。手掛けるのはヴェルディの「リゴレット」。メイヤーは、16世紀のイタリアを舞台とする傑作を、1960年代のアメリカ・ラスベガスに置き換えるという大胆な演出を施す。彼は初めて仕事をすることになるオペラ歌手たちとどのように交流を図るのか、また巨大なMETの舞台空間をのように使うのか。METスタッフとメイヤーの科学反応を追いつつ、その舞台裏に迫っていく。METの歩みをひも解く貴重な資料も登場する。