往時の栄光の日々から転落した天才騎手、武豊。2010年の大けがからの復帰以降、挫折からはい上がり、前人未到の3500勝達成への日々を克明に追う。
日本競馬の人気の礎を作った天才騎手・武豊。1987年に騎手デビューし、オグリキャップやディープインパクトといった名馬とのGI勝利をはじめ、JRA通算勝利数の最年少記録を次々と更新しながら、華々しい実績を残してきた。中央66勝、地方交流GIで25勝、国外のGIでも7勝するなど、“世界のタケ”として海外でも知られる存在だ。だが2010年3月に落馬し、重傷を負う。4カ月後に復帰を果たすが、以来勝ち鞍が減少。それは同時に、外国人騎手の短期免許制度や地方競馬騎手の移籍制度、エージェント制度の確立など、日本競馬のシステムが変更されたことも要因と考えられる。そして2011年には初のGI未勝利を味わうことに。復権を目指し、またJRA通算3500勝に向け、あくなき挑戦を続ける武豊に密着する。2013年、今の武にとって3500勝の先にあるものとは?