三谷幸喜が自ら文楽作品を書き下ろし、演出にも挑戦。江戸時代の大坂を舞台に、よろず相談を受けたことから繁盛し始めたまんじゅう店の夫婦を主人公にした人情物語。
「曽根崎心中」の舞台となった天神の森のまんじゅう屋が、人気芝居のせいで客を失い、状況を打開するために東奔西走。近松門左衛門の「曽根崎心中」のスピンオフにして、三谷節満載の笑いと涙にあふれた人情物語だ。太夫の情感あふれる語りと三味線の掛け合いに、人形の豊かなしぐさ・表情など、文楽の魅力をたっぷりと見せながら、物語は軽妙なシチュエーション・コメディーとして展開する。近松の「曽根崎心中」「心中天網島」の名場面をそのまま再現したかと思うと、現代口語が次々に飛び出す、そのバランスが斬新にして絶妙。会話は分かりやすく、ビギナーでも、文楽の魅力を感じつつ笑えて泣ける作品として楽しめる。テレビ人形劇の作・演出も経験した三谷が人形浄瑠璃の新しい可能性に挑んだ意欲作。伝統芸能と現代劇の新たなコラボレーションだ。
<ストーリー>江戸時代の大坂・天神の森で起きた実際の心中事件を元に、人気作家の近松門左衛門が書いた「曽根崎心中」が大ヒットする。以来天神の森で心中する者が続出するが、森の外れのまんじゅう屋は“縁起が悪い”と閑古鳥が鳴くありさま。そんな中まんじゅう屋の主人半兵衛は、夜ごと心中を止めて回っていた。ある夜どうしても心中しようとする男女を店に連れてきて説得するが、それがきっかけで店を立て直す策を思いつく。
出演
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竹本千歳大夫
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豊竹呂勢大夫
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鶴澤清介
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鶴澤清志郎
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吉田幸助
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吉田一輔
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他
スタッフ
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作・演出三谷幸喜
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作曲鶴澤清介