イギリス留学時代の夏目漱石を題材にしたラブストーリー。ロンドンになじめず下宿に閉じこもる金之助(後の漱石)は、底抜けに明るい下宿のお手伝い、ベッジに惹かれていく
2011年、自らの「生誕50周年」として精力的に活動した三谷幸喜。この年の舞台作品3作目は、文豪・夏目漱石のロンドン留学時代が題材。異国での漱石の悩みをシニカルに描きつつ、三谷の原点ともいえる心温まるコメディにしたラブストーリーだ。英語研究のためロンドンに留学した漱石は異文化の中でノイローゼ気味になった、というのは有名な話。そんな漱石の日記に頻繁に登場する下宿のお手伝い、ベッジ。彼女に対し時に感心し時にあきれ、思いのこもったその文から、漱石の淡い恋を読み取った三谷が極上の物語を編み出した。【ストーリー】
1900年、後に文豪・夏目漱石として名をはせる金之助(野村萬斎)は、ロンドンに留学していた。同じ下宿に住む貿易会社駐在員、畑中惣太郎(大泉洋)が社交的で英語を使いこなすのに対し、自分の英語が通用しない金之助は下宿の主人(浅野和之)らに対しふさぎ込みがちな日々を送る。ただひとり、陽気なお手伝いのアニー・ペリン(深津絵里)とだけ肩の力を抜いて話せる金之助。 なまりがきつく“I beg your pardon?(失礼ですが)”が、「ベッジ・パードン?」と聞こえることから、アニーに「ベッジ」とあだ名をつけ、次第に心を通わせていく。そんな中、ベッジの弟・グリムズビー(浦井健治)が金之助にある計画を持ちかけてくる。
演目
- シス・カンパニー公演 ベッジ・パードン
収録日・収録場所
- 2011年6月29日/東京 世田谷パブリックシアター
出演
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野村萬斎
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深津絵里
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大泉洋
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浦井健治
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浅野和之
スタッフ
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作・演出三谷幸喜