2010年9月に上演された、岩松了が初めて任侠の世界をテーマにした舞台を放送。阿部サダヲをはじめ豪華キャストを擁し、裏社会でしか生きられない人間の切なさを描く。
抗争の中にあったある組が、抗争を鎮圧し、やがて仲間の粛清に入り、一人の組員を疎外することで仲間意識を高めていく。ヤクザの世界にとどまらぬ人間の営みの普遍がそこにあると理解し、組織を死守しようとする男と、それがヤクザの世界だからと別の世界を求め、そこを離れようとする男。往年の東映任侠映画を彷彿とさせる濃密な男たちの世界を演劇ファン垂涎の豪華キャストで描き出す。【ストーリー】組長が病に伏している。現在は、組長の片腕で、かつて香港でマフィアの一員だったという噂のある水野(風間杜夫)が仕切っているが、ある日、大事件が発生する。組長の孫が、敵対関係にある組によって人質に取られたのだ。その原因をつくってしまったのは、下っ端チンピラの森本(阿部サダヲ)。水野が決行を命じた銃撃戦の末に孫は戻ってくるが、この事件によって組の将来の問題が一気にあぶり出される。組長の息子のツヨシ(小出恵介)。ツヨシの妻と愛人。組長の長年の愛人で、今は水野に明らかな秋波を送る真知(伊藤蘭)。その息子で、組員から厚い信頼を得ている人格者のタカヒロ(江口洋介)。そして水野、森本。それぞれの立場で、かつてない切実さで、組の未来と自分の幸せを考え始める彼ら。問題は、それがどれもが少しずつ別の方向を向いていることだった。やがて、その違いがはっきりと思い知らされる出来事が起きる。
収録日・収録場所
- 2010年9月18日/東京 Bunkamuraシアターコクーン
出演
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阿部サダヲ
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江口洋介
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小出恵介
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近藤公園
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江口のりこ
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黒川芽以
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尾上寛之
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ペ ジョンミョン
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伊藤蘭
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風間杜夫
スタッフ
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作・演出岩松了