中村勘三郎と串田和美が現代に問う大胆・新鮮な2010年のコクーン歌舞伎第11弾。劇中にちりばめられている、いとうせいこう作詞のラップにも注目。
中村勘三郎が演出家・串田和美とタッグを組んだコクーン歌舞伎。第11弾は待望の新演目が登場した。演目は、正保年間、下総佐倉の領主の圧政に苦しんだ領民のために、名主・木内宗吾が江戸へ出て将軍に直訴した事件を扱った「佐倉義民傳」。歌舞伎には珍しい農民劇として1851年の初演から数多くの名優によって上演されてきた。江戸後期に実在した人物を主人公の下敷きに、約160年の時を経て、今の時代にも通じる正義や自己犠牲のありかたをドラマティックに描く。大勢の農民たちが唄う斬新なラップはいとうせいこうが作詞。ラップにのせて力強く語られる演出に注目したい。骨太の内容ながら、「甚兵衛渡し」「子別れ」など歌舞伎らしい名場面もつらなる感動的な作品。収録日・収録場所
- 2010年6月25日/東京 Bunkamuraシアターコクーン
出演
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中村勘三郎
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中村扇雀
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中村芝翫
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坂東彌十郎
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中村七之助
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片岡亀蔵
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笹野高史
スタッフ
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演出・美術串田和美