愛する人の心を探すために日本縦断の旅に出た女性の姿を描くヒューマンドラマ。真樹子は3 年前に失跡した婚約者が亡くなったことを知り、その足跡を辿る旅に出る。
その日、彼女は、旅に出た。失ってしまった時間を取り戻すために…。本作の原作は「ルームメイツ」「アカシアの道」などで人の繋がりや揺れ動く心理を巧みに描き続けてきた漫画家、近藤ようこ。今作も「人が人を許すこと」をテーマに、人間の心理を丁寧に掘り下げている。
そして、演出は、ドラマW初登場の深町幸男。「情感の深町」といわれるように、「夢千代日記」「あ・うん」等、日本人の琴線に触れる傑作ドラマを数多く手掛け、平成7年には紫綬褒章、14年には勲四等旭日小綬賞を受章したNHK出身の伝説的巨匠だ。今回は、ドラマW「センセイの鞄」等、数々の秀作を世に送り出してきた名脚本家・筒井ともみの筆に添いながら、東京下町から沖縄まで、日本を縦断するロケを敢行。
豪華キャスト陣とともに、「彼は何故いなくなったのか」という謎解きの要素もちりばめつつ、人間の美しさを浮き彫りにするテレビドラマ史に残る名作を作り上げる。
<ストーリー>
ある日、3年前に突然失踪してしまった野田家の長男、功一(高橋和也)が、交通事故に遭い、物言わぬ姿で帰ってきた。残された家族、そして誰より婚約者・真樹子(木村佳乃)の心に静かな波紋が広がる。幼い頃、父親が失踪したことで家族を養う立場になり、いつも「良き兄」でいなければならなかった功一。けれども、彼はそれに不満を感じることも無く、彼なりの熱い夢を抱きながら暮らしていたはずだった。この3年間、何処で、何をしていたのか。そして、どうして、失踪の理由を自分に言ってくれなかったのか。複雑な想いを抱きつつ、愛する者の足跡をたどる真樹子の旅が始まった…