音楽

U2 360° LIVE from Los Angeles

米国最多動員記録となった昨年10月のカリフォルニア州でのライブを届ける。円形にスクリーンを設置するという奇抜なセットでも話題を呼んだ。ツアーの裏側も紹介。

　ツアーの度に、斬新なステージ・デザインで注目を集めるU2。今回のツアーも、あっと驚くコンセプトで仕掛けてきた。30億円の巨費をかけた「CRAW」と呼ばれるセット。360度どこからも視線をさえぎることなく設計され、スタジアムのアリーナに置かれた鉤爪のような4本足のセットは、巨大の一言。ローリング・ストーンズのセットを軽く凌いだそのセットの高さは50メートル。更に、伸び縮みする円形のスクリーン…と、世界中の音楽関係者がステージ演出に注目するのは当然といえよう。
　ロックバンドとして最多である22のグラミー賞を獲得しているU2。2009年、グラミー賞授賞式とBrit Awardsで新曲を披露し、その直後2月27日にアルバム「No Line On The Horizon」を発表。久しぶりにプロデューサーにダニエル・ラノワを迎えて制作された音は、80年代を切り裂いたU2の名作を想起させる透き通った精神性を呼び戻したアルバムであった。
　6月30日よりスタートしたツアーは、各国でソールド・アウト。過去最高の動員実績を樹立し、この10月25日のローズボウルのライブもアメリカでの最高動員記録を樹立した。デビューから30年経てもなお、ロックを極めることの難しさ、凄さをみせるU2の最新ライブ映像をお届け。