映画

夕凪の街 桜の国

こうの史代の傑作漫画を「半落ち」の佐々部清監督が映画化。田中麗奈、麻生久美子を主演に、現在と過去に生きる２人の女性を通して原爆のもたらした悲劇を浮き彫りにする。

第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の大賞など、数々の賞に輝いたこうの史代による同名漫画を、「半落ち」「出口のない海」の佐々部清監督が映画化した。原爆の焼け跡からようやく復興し始めた昭和33年の広島を舞台にした“夕凪の街”、現在の東京を舞台にした“桜の国”、違う時代に生きるヒロインが綴る2つの物語を通して、今もなお残る戦争と原爆の悲劇を浮き上がらせる。過去編の麻生久美子、現代編の田中麗奈それぞれが抑えた好演を見せ、静かな感動を呼ぶ秀作となった。ほか共演に吉沢悠、堺正章など。