映画

白昼堂々

「男はつらいよ」シリーズの渥美清を主演に迎えた野村芳太郎監督の痛快人情喜劇。炭鉱の閉鎖で切羽詰まった人々は泥棒稼業にくら替えし、デパートで集団万引に励むが……。

「砂の器」「八つ墓村（1977）」「鬼畜」などのヒットメーカー野村監督が、九州の筑豊の元炭鉱地域で実際に見つかり、話題を呼んだ“泥棒村”を題材に、結城昌治が書いた同名小説を、全編にわたってユーモアとペーソスを交えながら映画化。「拝啓天皇陛下様」などで野村監督と組み、喜劇俳優としての人気と名声を確立していた渥美をはじめ、藤岡琢也、有島一郎など、芸達者な俳優陣が顔をそろえ、味のある演技合戦を披露した。清純派のイメージが強かった倍賞千恵子が珍しくクールな美人すりを演じたのも見もの。