映画

ロスト・イン・ラ・マンチャ

企画が何度も頓挫し、後の２０１８年にようやく完成した、鬼才Ｔ・ギリアム監督渾身の「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」。ある時期の舞台裏を追ったドキュメンタリー。

セルバンテス原作のおなじみの物語が下敷きの夢の企画「ドン・キホーテを殺した男」の実現に10年越しで取り組んできた、「未来世紀ブラジル」の鬼才ギリアム監督。莫大な製作費をなんとか調達するのに成功し、かくしてついにギリアム悲願の企画が実現するかと思われたが、撮影を開始するも直後にやむなく断念。後に「～ドン・キホーテ」として完成したとはいえ、この時点での山あり谷ありの顛末の一部始終をまさに本家ドン・キホーテさながら、悲劇と喜劇がないまぜになった絶妙かつスリリングに綴った要注目作だ。