映画

肉体の門

終戦直後の東京を舞台に、混乱した世の中をたくましく生き抜いていく売春婦たちの姿を、異才・鈴木清順監督が鮮烈なタッチで描きだした、田村泰次郎原作の人間ドラマ。

戦後間もない1947年に発表されて一大ベストセラーとなり、1948年、マキノ雅広監督によって映画化されていた同名小説を1964年、異才・鈴木監督が独自のタッチでリメイク。5人の売春婦に各自異なる原色の衣装を配した大胆な色彩設計や、美術監督・木村威夫による独特の舞台風セットなど“清順美学”がたっぷりと発揮され、また、当時まだ19歳の新人女優だった野川由美子が体当たりの熱演を披露。会社から褒められたのはこの映画だけと鈴木監督が語る、異例のヒット作となった。