映画

ねじ式

石井輝男監督が「ゲンセンカン主人」に続き、つげ義春のカルトな漫画の映画化に挑戦。表題作など、計四つの短編漫画をより合わせて綴った不思議な幻想譚。主演は浅野忠信。

つげによる「ねじ式」「もっきり屋の少女」「やなぎ屋主人」など四つの短編が原作。浅野が演じる売れない漫画家のもどかしい日常生活と、現実と夢想が入り混じる、当てどない旅を組み合わせるという、シュールなアプローチが鮮烈。原作者つげの分身ともいうべき漫画家の主人公役を、浅野が茫洋とした雰囲気を漂わせながらはまり役で好演。また藤谷美紀、「月光の囁き」のつぐみらが、可憐かつ大胆な演技を見せた。鬼才・石井監督ならではのエログロやナンセンスがふんだんに詰まった、妖しい世界はインパクト大だ。