映画

霧笛が俺を呼んでいる

永遠の人気男優“トニー”こと赤木圭一郎が主演。旧友と久しぶりに再会しようとしていた船員は、旧友が何者かに殺されたと知って犯人捜しへ。人気女優の吉永小百合が共演。

本作の翌年の1961年、ゴーカート事故でこの世を21歳で去ったトニー。映画と同名の主題歌も熱唱し、彼の魅力を堪能できる代表作の1本が本作。後の日活ムードアクションの走りを思わせる娯楽作で、英映画「第三の男」に似た物語は、日活がトニーにつけたニックネーム“第三の男”を連想させて趣深い。トニーが少年時代から憧れだった船員役を演じられて喜んだという裏話も。デビューから1年でまだ15歳だった吉永小百合の可憐な魅力も光る。脚本を書いたのは後に「帝銀事件　死刑囚」など監督に転じる熊井啓。