映画

市民ケーン

当時２５歳だった天才Ｏ・ウェルズがハリウッドに乗り込み、製作・監督・脚本（共同）・主演という４役を務めた映画史上の記念碑的傑作。亡くなった新聞王が残した謎とは？

実在のウィリアム・ランドルフ・ハーストをモデルに、一代で巨万の富を築いた新聞王の生涯を、彼が死ぬ直前にこぼした“バラのつぼみ”という謎めいたひと言を手掛かりに、重層的に探求。現在と過去を交錯させ、複数の語り手からの視点を導入した構成、名手G・トーランドによる驚異的な長回し撮影やパンフォーカスを使った深みのある画面、映画音楽初挑戦のB・ハーマンによる重厚な音楽など、斬新かつ前衛的な手法の数々を駆使した本作は、総合芸術としての映画の可能性を最大限に引き出し、革命的衝撃を与えた。