映画

寝盗られ宗介

伝説的男優、原田芳雄の代表作の１本。「蒲田行進曲」などで知られるつかこうへいによる人気戯曲を映画化。原田は地方巡業を続ける小劇団の座長役で、名演＆熱唱を見せた。

「蒲田行進曲」が映画化されてから10年後の1992年、若松孝二監督が親交のある原田を主演に迎え、つかの戯曲を映画化。つかの戯曲は彼らしく、芸に生きる人々の姿をユーモラスかつ感動的に描いた人情コメディ。タイトルは、いつも自分の妻が別の男と浮気してしまう、原田演じる小劇団の座長のあだ名。世間体や男のプライドは二の次で、あくまで家族のような劇団を守り続け、藤谷美和子（やはり熱演）が演じる妻が帰ってくるのを信じる座長。彼が終盤、「愛の讃歌」を熱唱する姿は日本映画史に残る必見の名場面。