映画

哀しみのトリスターナ

Ｃ・ドヌーヴを主演に迎えた、鬼才Ｌ・ブニュエル監督による異色の女性ドラマ。１９２０～３０年代のスペイン。身寄りのない女性と、彼女を養子に迎えた貴族の関係を描写。

スペイン出身だが国外で映画を作ることが多かった鬼才ブニュエルが1969年、久しぶりにスペインで撮影した、最後のスペイン映画。原作はスペインの文豪B・P・ガルドスによる小説で、かつてスペイン王国の首都として栄えた町トレドを舞台に、人気作「昼顔（1967）」でも組んだドヌーヴとブニュエル監督は、美しくも残酷な愛の寓話に仕立て上げた。当時26歳だったドヌーヴの存在感が光る。共演はマカロニウエスタンの時代から現在まで活躍を続ける、イタリア出身のF・ネロ、スペインの名優、F・レイ。