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みどころ・試合内容 / 2013年8月18日放送

みどころ・試合結果

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  • みどころ

ボンバーレフト VS カンクンの星
KO決着必至の強打者対決

今年4月、ガマリエル・ディアス(メキシコ)から4度のダウン奪ったすえ9回でストップ、豪快なTKO勝ちで戴冠を果たした三浦の初防衛戦。相手はWBC1位の指名挑戦者セルヒオ・トンプソン。しかも相手の地元メキシコのカンクンに乗り込んでの試合だ。果たしてメキシコでも「ボンバーレフト」は火を噴くのか。

三浦はキャリア10年のサウスポーのボクサーファイター型。頑丈な体を利して圧力をかけ、タイミングのいい破壊的な左ストレート、重い右フックでKOを量産してきた。29戦のキャリアで2度の敗北を経験しているが、相手は小堀佑介(角海老宝石)、内山高志(ワタナベ)のふたりだ。小堀はのちの世界王者、内山は当時も現在も世界王者である。「負けはないにこしたことはないけれど、あの2敗があったから強くなれた」と三浦は自己分析している。戴冠の前後から目立つのはボディブローの多用と巧さだ。スパーリングでは自分よりも一回り大きいパートナーに左のボディアッパーを突き上げ、それを機に左右の連打を見舞うシーンが再三見られた。接近戦の際には大きな効果を上げそうだ。

挑戦者のトンプソンは06年のプロデビュー後、29戦27勝(25KO)2敗の戦績を残している。WBCの中米カリブ王座やWBCのシルバー・インターナショナル王座などを獲得しているが、なんといっても目立つのは12年3月のホルヘ・リナレス(帝拳)戦の2回TKO勝ちである。ワイルドな右を契機にラッシュ、元2階級制覇王者からダウンを奪い、そのまま負傷TKO勝ちを収めた試合だ。
これで上位進出を果たし、地元のペペ・ゴメス・プロモーターの後押しもあって今回のチャンスを得た。アゴの前に両グローブを置いた構えからラフに突っかけ、大きな左右フックで襲いかかる好戦的なスタイルの持ち主だ。器用なタイプではなさそうだが、リナレス戦も含めて約3年間に13連勝、目下11連続KO勝ちと勢いもある。

そんな挑戦者の印象を三浦は「巧いという印象はないけれど、振ってくる左右のパンチは破壊力がありそう」と話すが、「でも、自分の"ボンバー"の方が強い」と自信をみせる。初の海外試合にも「自分を成長させる絶好の機会。楽しみ」とプラスにとらえている。

三浦は「相手のパンチをもらわず、自分のパンチだけをヒットさせて終わらせるのが理想」と話すが、なかなかそうもいかないだろう。まずはしっかりと右のリードブローで相手をコントロールしておき、そのうえで切り札の左を打ち込む展開に持ち込みたいところ。接近した際のボディブローも大きな武器になりそうだ。ただし、トンプソンの距離と間合いでリスキーな無謀なパンチの交換は避けたい。相手の地元での試合だが、自分を見失わずに戦うことができればKO防衛が見えてくるはずだ。

 


Written by ボクシングライター原功



粟生隆寛

粟生隆寛

S・フェザー級トップ戦線の現状

WBA:内山高志(ワタナベ)
WBC:三浦隆司(帝拳)
IBF:アルヘニス・メンデス(ドミニカ共和国)
WBO:ローマン・マルチネス(プエルトリコ)

実績面では内山高志(ワタナベ)が頭一つリードしている。昨年9月に返り咲きを果たしたWBO王者ローマン・マルチネス(プエルトリコ)も地力があるが、このところファン・カルロス・ブルゴス(メキシコ)、ディエゴ・マグダレノ(アメリカ)を相手に苦戦が続いている。秋にはフェザー級から参入してくるミゲール・ガルシア(アメリカ)の挑戦を受けることになる。厳しい予想が大勢を占めることになりそうだ。

ランカー陣では元王者の粟生隆寛(帝拳)のほかブルゴス、今回、三浦に挑戦するセルヒオ・トンプソン(メキシコ)のほか、粟生に善戦したデビス・ボスキエロ(イタリア)、マグダレノあたりが目を引く。進境著しい日本王者、金子大樹(横浜光)も虎視眈々と挑戦の機会をうかがっている。


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