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みどころ・試合内容 / 2010年10月18日放送

みどころ・試合結果

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10月18日放送

[191ch][HV]10月18日(月) よる8:00 [191ch][再]10月19日(火) 午後0:00

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怒涛のビッグマッチ タイムリーオンエア!
クリチコ兄弟の兄ビタリ、元王者ブリッグスを迎え撃つ!

WBC世界ヘビー級タイトルマッチ

ビタリ・クリチコ

WBC世界ヘビー級チャンピオン

ビタリ・クリチコ

(ウクライナ)

シャノン・ブリッグス

元WBO世界ヘビー級チャンピオン

シャノン・ブリッグス

(アメリカ)

  • みどころ

鋼鉄の拳 VS 大砲 3年超の空白が続くアメリカ勢の復権なるか

身長202センチ、リーチ203センチ、42戦40勝(38KO)2敗のクリチコと、身長193センチ、リーチ203センチ、58戦51勝(45KO)5敗1分1無効試合のブリッグス。チャンピオンのKO率が90パーセント、挑戦者も78パーセントという高いKO率を誇る。これぞヘビー級という壮絶な決着が約束されたカードといえる。
クリチコは膝の故障で4年のブランクをつくっていたが、2年前に戦線復帰。初戦でいきなりWBCタイトルをもぎ取り3度目の政権の座についた。以後はコンスタントに試合をこなし、ここまで4度の防衛を果たしている。V3戦でKOこそ逃しはしたが、どの試合も一方的かつ圧倒的な勝利だった。
第一期政権、第二期政権と比べると強引さが陰を潜めた印象があるが、その分、ヘビー級にしては戦い方が慎重で緻密になったといえる。体格の利を生かして左ジャブを多用し、リスクを低く抑えたうえで切り札の右ストレートに繋げるパターンを確立したといえよう。弟のIBF・WBOチャンピオン、ウラディミール・クリチコの戦闘スタイルを参考にしているのかもしれない。以前のような豪快さは半減したが、確実性は増した。心身ともに消耗度の高いヘビー級の世界戦を12度も経験してきたことや、39歳という年齢、さらにはケガのことを考えると、今後は時間が最大の敵になりそうだ。
ブリッグスもクリチコと同じ1971年生まれで、12月に39歳になる。足かけ19年の経験を持つベテランだけに、こちらもボクサー生命をかけた大一番といえよう。
クリチコ兄弟や前WBA王者ニコライ・ワルーエフ(ロシア)らと単純比較すると数字で劣るブリッグスだが、それでも大きな体はこの男の最大の武器といえる。特に120キロ前後の体重を乗せて打ち込む右は一撃で試合を終わらせる破壊力を持っている。4年前、セルゲイ・リャコビッチ(ベラルーシ)を12回2分59秒で劇的な逆転TKOに屠ってWBOタイトルをつかんだ試合が、その好例といえる。ただし、このタイトルはスルタン・イブラギモフ(ロシア)の技巧にしてやられ、わずか7ヵ月で手放している。
単純なパワーではクリチコにひけをとらないだけのものを持つが、全体的な組み立てや戦略、戦術に欠ける面があり、それが大成を阻んできた要因とみることもできる。要はボクシングが大雑把なのである。
ここ数年、ヘビー級は旧ソ連選手を軸にした欧州勢がトップの座を独占し続けている。対照的にアメリカ勢は07年6月にブリッグスが王座を明け渡してから3年以上もベルトと縁がない。挑戦にいたっては13連敗中という有様だ。ブリッグスにはアメリカの復権もかかっているのである。
総合力で勝るクリチコ有利は動かせないが、ブリッグスにも一発があるだけに予断は禁物だ。特に最近の3戦を含んで30回の1ラウンドKOを記録しているように、ブリッグスは序盤に圧倒的な強さを発揮するタイプである。タフなクリチコといえども序盤は最大限の用心をする必要があるだろう。
いずれにしても早い段階で歯車が噛み合えば、早期決着も十分に考えられる。先に的を射るのはクリチコの“鋼鉄の拳”なのか、それともブリッグスの“大砲”なのだろうか。

Written by ボクシングライター原功

デビッド・ヘイ

デビッド・ヘイ

ヘビー級トップ戦線の現状

WBA:デビッド・ヘイ(イギリス)
WBC:ビタリ・クリチコ(ウクライナ)
IBF:ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)
WBO:ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)

世紀をまたいで活躍したレノックス・ルイス(イギリス)やビタリ&ウラディミールのクリチコ兄弟(ウクライナ)、それに史上最長身にして最重量王者のニコライ・ワルーエフ(ロシア)、さらにスルタン・イブラギモフ(ロシア)、オレグ・マスカエフ(カザフスタン/ロシア)、ルスラン・チャガエフ(ウズベキスタン)、セルゲイ・リャコビッチ(ベラルーシ)、そして現役のデビッド・ヘイ(イギリス)――ここ15年ほどは旧ソ連勢を中心にした欧州選手がヘビー級王座に君臨するケースが多い。アメリカ勢はマイク・タイソン、イベンダー・ホリフィールドの斜陽期以後、有力なタレントを輩出できないまま10年が経過してしまった。
現在の主要4団体のランキングを見ても、その現実は変わらない。最新の各団体ランキング15傑の中にアメリカ人はWBCに7人、IBFに6人入っているが、WBOは2人、WBAはわずか1人となっている。
期待を抱かせる若手もオドラニエル・ソリス(キューバ/ドイツ)、アレクサンデル・ポベトキン(ロシア)、トーマス・アダメク(ポーランド)といった欧州勢だ。
今後はWBA王者ヘイが11月にオードリー・ハリソン(イギリス)の挑戦を受けることが決まっているが、これをクリアした後はクリチコ兄弟との統一戦の方向に向かう可能性がある。

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