5/2 パッキャオ対メイウェザー
★数字でみる世紀の大一番★
Part2 両者の合計報酬は推定240億円超2015.04.10
6階級制覇の実績を持つWBO世界ウェルター級チャンピオン、マニー・パッキャオ(36=フィリピン)と、5階級制覇のWBA&WBC世界ウェルター級チャンピオン、フロイド・メイウェザー(38=アメリカ)のスーパーファイト(日本時間5月3日 @ラスベガス)まで3週間あまり。今回はボクシング史のみならずスポーツ界の常識をはるかに凌駕することが確実視されているイベントのスケール、両者が受け取ることになる試合報酬などについて話を進めよう。
メイウェザー・プロモーションズとイベントを共催するトップランク社のボブ・アラム・プロモーターは、両者揃っての発表会見から約2週間後の3月下旬、チケットの券種を明らかにした。それによると7500ドル(約90万円)、5000ドル(約60万円)、3500ドル(約42万円)、2500ドル(約30万円)、1500ドル(約18万円)の5券種に加え、新たに一般に売り出さない超VIP用の1万ドル(約120万円)券が1100枚用意されることになったという。過去のチケット最高値は02年のレノックス・ルイス(イギリス)対マイク・タイソン(アメリカ)戦の2500ドルだったが、それをはるかに凌ぐ単価である。チケットの売り上げだけでも7400万ドル(約89億円)になるというのだから驚きだ。2年前のメイウェザー対サウル・アルバレス(メキシコ)戦で記録された約2000万ドルの3.5倍に相当する数字である。
試合はHBOテレビとショータイムが課金システムのペイ・パー・ビュー(PPV)で生中継することが決まっている。ライバル局が手を組んで同時中継するのも、ルイス対タイソンに次いで2度目のこととなる。4月2日時点では値段は明らかになっていないが、高画質版のPPVが99ドル(約1万1880円)、標準のPPVが89ドル(約1万680円)になる模様だ。アラム・プロモーターは「300万件以上の契約は確実」とみており、8年前のメイウェザー対オスカー・デラ・ホーヤ(アメリカ)戦で記録された240万件の最高契約件数の更新は確実視されている。それどころか「400万件を超え500万件に近い数字が出たとしても驚きには値しない」(アラム氏)という状況だ。
気になる報酬だが、パッキャオに8000万ドル(約96億円)、メイウェザーに1億2000万ドル(約144億円)が保障されていると伝えられる。ただし、これはあくまでも最低保障である。アラム・プロモーターはPPVの契約が400万件台になった場合、それらの売り上げのうち3億ドル(約360億円)をパッキャオとメイウェザーに分配することになるだろうという。両陣営間ではパッキャオ=4、メイウェザー=6の比率で分けることが合意されているため、パッキャオは1億2000万ドル(約144億円)、メイウェザーは1億8000万ドル(約216億円)の報酬を得る試算になる。これは社員数百人の会社の年商に相当する金額だ。スポーツ・イベントの域を超え、一夜の産業といっても過言ではないだろう。
64戦57勝(38KO)5敗2分のパッキャオと、47戦全勝(26KO)のメイウェザー。試合まで1ヵ月に迫った時点でのオッズは2対1でメイウェザー有利と出ている。
※Part3では、メイウェザーの足跡を紹介する予定。
Written by ボクシングライター原功
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