来月8日に開幕するUEFA EURO 2012TM(サッカー欧州選手権)は、最終リスト23名の提出期限となった29日、出場16カ国の全メンバーが出揃った。
まずグループAでは、チェコ代表およびギリシャ代表が最終リストを発表した。暫定リストでは24名を選出していたチェコ代表は、テプリツェのGKグリガルが落選した一方、主将を務めるアーセナルのMFロシツキーは、ふくらはぎの負傷が完治していないもののメンバーに残った。また、25名を選出していたギリシャ代表は、モナコのMFツィオリスおよびボローニャのMFコネがメンバー落ちした。一方、既に最終リストを発表していたロシア代表および共催国のポーランド代表は、負傷離脱者の発生に伴うメンバーの入れ替えを事前に行っていたため、この日の登録変更は無かった。
“死のグループ”と呼ばれる最激戦のグループBでは、全チームが既に最終リストを発表済みだったものの、デンマーク代表は、ここまでチームのゴールマウスを守ってきたストーク・シティのGKソーレンセンが26日に行われたブラジル代表とのフレンドリーマッチで負傷したため、伝説的守護神であるピーター・シュマイケル氏の息子としても知られるレスター・シティのGKカスパー・シュマイケルへのメンバー変更を行った。また、オランダ代表は23選手の背番号を発表し、注目の9番はシャルケのFWフンテラールに与えられ、アーセナルのFWファン・ペルシーは16番を着けることになった。一方、ドイツ代表およびポルトガル代表は大きな動きは無かった。
グループCでは、連覇を狙うスペイン代表は、既に発表していた最終リストからのメンバー変更は無かった。一方、同じく最終リストを発表済みだったアイルランド代表は、故障回復が間に合わなかったウォルバーハンプトンのDFフォーリーに代わり、ハル・シティのDFマクシェインがメンバー入りした。また、暫定リストでは27名を選出していたクロアチア代表は、ほぼ順当なメンバーとなったものの、ディナモ・ザグレブのDFヴルサリコの落選という意外な決定があった。そして、前日に25名までメンバーを絞ったイタリア代表は、インテルのDFラノッキアおよびシエナのFWデストロが落選し、八百長スキャンダルへの関与の可能性が報じられたユヴェントスのDFボヌッチは、当局の公式な捜査対象には入っていないこともありメンバーに残った。
またグループDでは、フランス代表および共催国のウクライナ代表が、いずれも26名から23名にメンバーを絞った。フランス代表では、ローラン・ブラン監督がボルドー指揮官時代の愛弟子であるリヨンのMFグルキュフをメンバーから外すという、この日最大のサプライズがあった。一方のウクライナ代表は、今大会限りでの引退を表明しているディナモ・キエフのFWシェフチェンコやバイエルン・ミュンヘンのMFティモシュチュクらが順当にメンバーに残った。また、既に最終リストを発表していたイングランド代表およびスウェーデン代表は、いずれもメンバー変更は無かった。なお、スウェーデン代表は、最初に提出した招集リストに一切の手が加えられなかった唯一のチームとなっている。