陸上ワールドツアー ダイヤモンドリーグ 完全版 10月1日(土)よる9:00〜 [WOWOWプライム][無料放送]
今年で2回目のダイヤモンドリーグは、9月16日のブリュッセルでの最終戦で全14戦の日程を終了。全日程を通じて、世界新のアナウンスこそ聞けなかったが、世界最高峰の陸上シリーズにふさわしいハイパフォーマンスが各大会で続出した。 全14戦中の“ベストパフォーマンス”は、ブリュッセル男子200mでヨハン・ブレイク(ジャマイカ)が出した19秒26。この記録は、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が持つ世界記録にあと0秒07に迫る世界歴代2位。21歳の新鋭は20世紀最後のスーパースター、マイケル・ジョンソン(アメリカ)の19秒32をも一気に上回り、世界を驚愕させた。 200mでブレイクに迫られたボルトは、同じくブリュッセルの100mで自己4番目の9秒76をマークし快勝。決勝フライング失格に終わったテグ世界陸上の悔しさを、今季世界最高の好記録で見事に晴らした。 長距離では、モナコ男子3000m障害で世界記録にわずか0秒01差にまで迫ったブリミン・キプルト(ケニア)、ストックホルム女子5000mで世界歴代3位の14分20秒87を出したヴィヴィアン・チェルイヨット(ケニア)を筆頭にアフリカ勢が、世界歴代リスト上位に入るパフォーマンスを連発。また、アフリカ勢以外でも、モナコ男子5000mでモハメド・ファラー(イギリス)、バーナード・ラガト(アメリカ)がそれぞれ欧州新記録、北米新記録を出すなど長距離は活況に沸いた。 フィールド種目のベストパフォーマンスはローザンヌ男子三段跳でテディ・タムゴ(フランス)が出した17m91。タムゴはその後の怪我のため後半戦を欠場したが、人類3人目の18m台突入に大いに期待が高まったジャンプだった。 各大会のポイントの合計でツアーチャンピオンが決まるダイヤモンドリーグでは、記録だけでなく、勝敗の行方も見る者の醍醐味の一つになる。勝負の面で特に圧倒的な力で目を引いたのが、女子100、200mの両種目でツアーチャンピオンに輝いたカメリタ・ジーター(アメリカ)、後半5連勝の女子400mアマントル・モンショー(ボツワナ)、今季負けなしでツアーチャンピオンを決めた男子800mのデビッド・ルディシャ(ケニア)や女子砲丸投のバレリー・アダムス(ニュージーランド)ら。惜しかったのは、女子100mHのサリー・ピアソン(オーストラリア)で、ローザンヌから3連勝で迎えた最終戦は、ハードルをひっかけ途中棄権。ダニエル・カラザース(アメリカ)に最後でチャンピオンの座を奪われた。 若手の活躍も数多く見られたツアーだった。その筆頭は男子400mツアーチャンピオンのキラニ・ジェームス(グレナダ)。世界陸上も制した19歳はチューリッヒでは44秒36(ジュニア世界歴代2位)の好記録をマーク。来年は10代初の43秒台へ挑む。 ブリュッセル男子1万mでジュニア史上2人目の26分台を出したジョフリー・キルイ(ケニア)、ローマ女子3000m障害でジュニア世界新(9分20秒37)を出したビルトゥカン・アダム(エチオピア)、17歳にしてモナコ男子5000mで12分台突入を果たしたイサイア・コエチ(ケニア)など、アフリカの長距離は新勢力の台頭も枚挙にいとまがない。 男子走幅跳で、昨年までの自己記録を40cm近くも伸ばしツアーチャンピオンになったミッチェル・ワット(オーストラリア)、最終戦ブリュッセルで常勝アンドレアス・トルキルドセン(ノルウェー)を破り、逆転で男子やり投のツアーチャンピオンに輝いたマティアス・デゾルド(ドイツ)などは今季大飛躍を遂げた代表格。 また、ツアーポイントこそほとんど稼いでいないが、黒人選手に割って入る活躍を随所で見せた男子短距離の21歳の白人選手クリストフ・ルメートル(フランス)も来年のツアーで目が離せなくなりそう。 その他、ツアーを通して活躍を遂げた選手を綴ればきりがない。来年は4年に1度の五輪年。ここに挙げた選手を中心に、来年はさらにレベルアップしたダイヤモンドリーグになることは間違いないだろう。 ウサイン・ボルト: Bongarts / Getty Images, ブランカ・ブラシッチ:PanoramiC/アフロ, アリソン・フェリックス: ロイター/アフロ
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アサファ・パウエル: アフロ, タイソン・ゲイ: AP/アフロ, トロフィー: Getty Images |