“恐怖”をキーワードに選んだ日本の小説を女優・白石加代子が朗読する「百物語」シリーズ。22年の歳月を重ね、ついに第九十九話ファイナル公演にて完結する。
白石加代子の朗読劇「百物語」シリーズのファイナル公演を放送する。「百物語」とは、100本のろうそくを灯した部屋で、ひとりが1話ずつ怪奇なエピソードを披露し、話が1話終わるごとにろうそくを1本ずつ消していくというもの。最後に残った100本目のろうそくが消えた時、闇から魔物が出現するため、決して100話目は話してはならないとされている。よって、白石の「百物語」も第九十九話でついに完結する。ファイナル公演は、「百物語」の最後を飾るのにふさわしいストーリー2作品。【第九十八話】三島由紀夫の短編小説「橋づくし」。満月の夜を願掛けしながら歩く4人の女性の悲喜こもごもが巧妙に描かれた名作だ。陰暦の8月15日、新橋の料亭の娘が2人の芸妓や女中と一緒に夜な夜な築地界隈へ願掛けに出掛ける。「7つの橋を渡るときに同じ道を通ってはいけない」など4つのルールを決めたものの…。
【第九十九話】最終話は、泉鏡花の戯曲「天守物語」。演出の鴨下信一が4年ほど前から構想を練り始め、最終話に定めた奇譚だ。舞台は封建時代の姫路城。逃げたタカを追って、若い武将・図書之助が天守五重にやって来た。天守五重は、足を踏み入れた者はそこに住む美しい妖怪・富姫に命を奪われるという禁断の間。だが、富姫はしだいに図書之助に恋心を抱いてしまう。そして、2人は数奇な運命の渦に巻き込まれていくのだった。
収録日・収録場所
- 2014年8月12日/東京 浅草公会堂
出演
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白石加代子
スタッフ
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構成・演出鴨下信一