
筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘い続ける、天才ギタリスト、ジェイソン・ベッカー。身体機能が衰える中、驚異の生命力で音楽活動を続けるアーティストとしての姿に迫る。
ギターデュオ「カコフォニー」で活躍したロックギタリスト、ジェイソン・ベッカー。1989年「デビッド・リー・ロス」バンドに参加し、全米ツアーをスタートする直前に難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」を発症した。余命5年と宣告されながらも、奇跡の生命力で2014年現在も活動を続けている。彼は今、新作アルバム『ブルーベリー・ファンタジー&ストロベリー・ジャム』を制作している。車いすに拘束され人工呼吸器や栄養パイプでつながれた生活で、眼球と顔の一部しか動かない体での音楽制作は至難の業だ。目の前に置かれたコンピューターには、音の長さや高さがひと目で分かるソフトウェアが内臓されている。対面して座る父ゲイリーは同じ画面を見ながらジェイソンの指示に従いマウスを動かす。ジェイソンは、頭にある無数の音源から、ブロックで建物を造るような感覚で音の構築物を作り上げる。家族、友人、ミュージシャン、多くの人々に支えられ、ジェイソンは今日も新曲作りを精力的に行なう。(2014年)