幕末の史実をもとにした山田風太郎の小説「魔群の通過」を原作に、阿佐ヶ谷スパイダースの長塚圭史が舞台化。歴史の転換期にむき出しになる人間の本質を描き出した作品。
劇団・阿佐ヶ谷スパイダースがおくる上質な歴史エンターテインメント。尊皇攘夷を掲げながらも“賊軍”とみなされた天狗党がたどった過酷な行軍と、凄惨な復讐の連鎖…、幕末期の水戸藩を舞台に実在した事件を描く。同劇団の主宰・長塚圭史が作・演出を担当し、太平洋戦争後と幕末という2つの時間軸を行き来する構成となっている。シンプルな舞台装置を使ったダイナミックな演出も見どころだ。<ストーリー>太平洋戦争が終わり、復員してきた大一郎(小栗旬)は、戦争で未亡人となった幼なじみの奈生子(原田夏希)とともに、群馬の温泉宿にたどり着く。仲居の老婆(白石加代子)が案内する不気味な宿には、付近でかつて起こった天狗党の事件の取材のために訪れた作家の葛河梨池(古舘寛治)と編集者の野口(長塚圭史)も宿泊していた。宿の暗い廊下で奈生子を見失った大一郎は、過去の亡霊と出会い、いつしか幕末期の世界に迷い込む。
1864年、尊皇攘夷を掲げた前藩主・徳川斉昭に忠義を通し挙兵した水戸藩の天狗党を賊軍とみなした幕府は、制圧に乗り出す。天狗党の面々は、斉昭の息子で後の十五代将軍・一橋慶喜に挙兵の真意を伝えるべく、京都を目指し茨城県から行軍を始める。だが、福井にて慶喜が天狗党討伐の総大将となっていることを知り、“主君同然の慶喜に刃を向けられない”と降伏。天狗党の幹部をはじめとする352人が斬首の刑に処されてしまう。
収録日・収録場所
- 2013年5月11日/東京 Bunkamuraシアターコクーン
出演
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小栗旬
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小日向文世
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白石加代子
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原田夏希
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小松和重
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古舘寛治
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横田栄司
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福田転球
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武田浩二
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駒木根隆介
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斉藤直樹
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六本木康弘
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木下あかり
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後藤海春
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後田真欧
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中山祐一朗
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伊達暁
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長塚圭史
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中村まこと
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大鷹明良
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小野武彦
スタッフ
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主催Bunkamura
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企画Bunkamura
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企画阿佐ヶ谷スパイダース
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作・演出長塚圭史
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原作山田風太郎「魔群の通過」