世界のニナガワが挑戦した国際プロジェクト。戦争で負けたトロイアの女性たちの悲劇を3つの文化圏の俳優がそれぞれの言語で語る、演劇史に残る稀有な舞台。
紀元前5世紀にエウリピデスが描いたギリシャ悲劇を、“世界のニナガワ”が演出。イスラエルの緊迫する政治情勢を受け、一度はあきらめかけたものの、言語・価値観・宗教観といった壁を超え蜷川幸雄が上演にこぎつけた大作だ。本作は日本とイスラエルの外交関係樹立60周年記念事業で、東京公演の後にイスラエルでも上演されたことでも話題に。<ストーリー>3人の女神、ヘラ、アフロディテ、アテナによる、「誰が一番美しいか?」という論争は、トロイアの王子・パリスに審判が委ねられた。アフロディテを選んだパリスに、褒美としてギリシャ・スパルタの王妃で世界一の美女と謳われるヘレネ(和央ようか)が与えられたことで、トロイアとギリシャは戦争に。争いは10年に及ぶが、ギリシャの“トロイの木馬”作戦により、トロイアは敗北。男たちは死に絶え、トロイアは焦土と化す。
トロイアの王妃・ヘカベ(白石加代子)は国王や息子たちを失い、奴隷となるのを待つのみだった。娘はギリシャ軍の総大将の愛人となることが決まり、幼い孫までも殺されてしまう。女たちがギリシャへ引き渡されるのを待つ中、元夫でスパルタ王・メネラオスを前にしたヘレネは、「戦争は自分のせいではない」と無実を訴える。ヘカベはヘレネを殺すよう訴え、メネラオスも激怒していたが、彼女の色香の前に手を下せなくなってしまう。
収録日・収録場所
- 2012年12月19日/東京 東京芸術劇場 プレイハウス
出演
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白石加代子
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オーラ・シュウール・セレクター
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ラウダ・スリマン
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アシュラフ・バルホウム
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モティ・カッツ
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マフムード・アブ・ジャズィ
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シリ・ガドニ
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和央ようか
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イスラエルのユダヤ系・アラブ系俳優
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日本人俳優
スタッフ
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演出蜷川幸雄
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作エウリピデス