鬼才・唐十郎が自らが生まれ育った街を舞台に描き、1981年に初演された大作。終戦直後、男娼の巣窟となった街に“失われた劇団”の女優が現われ、哀しい物語を紡ぐ。
唐十郎が自らが生まれ育った下谷万年町を舞台に描き、1981年に初演された大作。初演と同じ蜷川幸雄演出でキャストを一新して再演された。終戦直後、男娼の巣窟となっていた東京・上野に近い「下谷万年町」。タンゴが響き、長屋には何十人もの“オカマ屋さん”たちがなまめかしく歌い踊る幻想的な世界の中、町に住む少年と、劇団の下働きの青年、そして、池の中から現われる、かつて存在した劇団の女優が物語を紡いでいく。【ストーリー】
男娼たちが住み着き異様な雰囲気漂う、戦後間もない下谷万年町。そのほど近くで、警視総監が襲われ帽子が盗まれる事件が発生した。犯人はオカマのお春(大門伍朗)の一味だったが、お春の“イロ”である洋一(藤原竜也)は帽子を持って逃走。少年・文ちゃん(西島隆弘)は、お春に頼まれて洋一を追うはめになる。やがて出会った洋一と文ちゃん。一方で、洋一が所属していた劇団「軽喜座」の座長(沢竜二)も帽子を狙っていて、2人は追い詰められる。そんな中、突如現われたのが、男装の女優“キティ・瓢田”(宮沢りえ)。洋一と文ちゃんは、謎めいたキティと組んで、新しい劇団を立ち上げようともくろむ。
収録日・収録場所
- 2012年1月21日/東京 Bunkamuraシアターコクーン
出演
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宮沢りえ
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藤原竜也
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西島隆弘
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六平直政
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金守珍
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大門伍朗
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大石継太
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原康義
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井手らっきょ
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柳憂怜
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大富士
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沢竜二
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石井愃一
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唐十郎
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他
スタッフ
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作唐十郎
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演出蜷川幸雄