倉本聰、幻の脚本をドラマ化。大罪を犯し、生きる気力を失った14歳の少年が、カナダの大自然の中で、祖父とともに生きる意味を見つめ直す。主演は仲代達矢。
「北の国から」で、全国のドラマファンを魅了した脚本家・倉本聰。その後も「拝啓、父上様」「優しい時間」「風のガーデン」など、名作を書き続ける倉本聰の、幻のオリジナル脚本ドラマ「學(がく)」を放送する。カナダの壮大な自然が持つ生命力に魅了され、倉本聰が1992年に執筆したのがこの作品。
現代日本の文明社会にもてあそばれ、わけもわからずに大罪を犯し、生きる気力も希望も失った孤独な少年は、祖父に連れられ、カナダの大自然の中で、生きることの原点を見出す旅に出る。「人として生きていくこと」「自然と共存すること」を真正面から描く“人間と自然への賛歌”ともいえるこのドラマ。死期が近いことを知りながら自らの命を懸けて孫の再生に挑む祖父を演じるのは、日本を代表する名優・仲代達矢。希望を失った14歳の少年・學には新人の高杉真宙を起用。
壮大なカナダのロッキー山脈を舞台に、美しくも力強い人間ドラマをお届けします。
<ストーリー>
ニューヨーク在住のエリート商社マンを両親に持つ13歳の少年、學(高杉真宙)はパソコンだけを友達に、東京でひとり暮らしをしていた。ある日、學はパソコンを勝手にいじった近所に住む4歳の少女に激昂し、思わず突き飛ばしてしまい、少女は絶命する。恐怖に駆られた學は遺体を遺棄するが、すぐに発覚し、マスコミを騒がせる大事件となる。
世論の追及を受けた両親は自殺。學は一切の感情に蓋をするように言葉を発しなくなり、生きる気力さえ失ってしまう。そんな學を引き取った元南極越冬隊員の祖父、信一(仲代達矢)は、自らの命を懸け學を人として再生させることを決意し、ある計画を実行に移す。學を連れ、カナダの険しいロッキー山脈へと旅立つ信一。それは、あまりにも危険で無謀な賭けであった――。