映画

評決

人気男優Ｐ・ニューマンが社会の不正に立ち上がる一匹狼の弁護士を巧演。円熟した魅力を見せた秀作社会派法廷サスペンス。監督は「十二人の怒れる男」の名匠Ｓ・ルメット。

ニューマン演じる主人公は、今や一線を退いてアルコール依存症となり、しがない毎日を送る中年弁護士。大病院の医療ミスが原因で植物状態に陥ってしまった女性の家族から弁護を依頼され、眠っていた正義を信じる心を取り戻していく。しかし被告側の一流弁護士たちによって圧倒的な劣勢に立たされ……。それでも最後までヒューマニズムを貫く主人公が感動的だ。社会派映画に腕を振るうルメットの抑制した演出にも風格がある。アカデミー賞では作品賞やニューマンに対する主演男優賞など5部門にノミネートされた。