日本方式の台湾新幹線で、台湾島をぐるりと周遊。
台湾一周1000キロ
その美しさから「麗しの島」と呼ばれる台湾。今回は台北を起点にぐるり一周します。2007年に開業した台湾新幹線で南部の高雄へ、高雄からは在来線で東海岸を北上。大都市、港町、熱帯の自然など台湾の魅力を丸ごと体感します。さらに、台湾経済を牽引したサトウキビ列車や特急太魯閣号、平渓線などの列車旅も満喫します。
日本方式の台湾新幹線で、台湾島をぐるりと周遊。 台湾一周1000キロその美しさから「麗しの島」と呼ばれる台湾。今回は台北を起点にぐるり一周します。2007年に開業した台湾新幹線で南部の高雄へ、高雄からは在来線で東海岸を北上。大都市、港町、熱帯の自然など台湾の魅力を丸ごと体感します。さらに、台湾経済を牽引したサトウキビ列車や特急太魯閣号、平渓線などの列車旅も満喫します。 台湾新幹線に乗車して 台北(タイペイ)〜台中(タイチュン)〜嘉義(チアイー)〜高雄(カオシュン)台北(タイペイ) Taipei 激動の歴史を歩んだ台湾一の大都市台灣高速鐵路最高時速300km、台北〜高雄間を最速96分、各停なら120分で結ぶ台湾の大動脈。車両は日本の700系新幹線を台湾仕様にした700T型で、2007年の開業以来「高鐵」「台湾新幹線」と呼ばれ親しまれています。当初は欧州連合が受注しましたが、計画途中で台湾大地震が発生。地震国・日本の技術に白羽の矢が立ち、新幹線初の海外進出となりました。そのためシステムの一部は予定通りドイツとフランス製で、開業時の運転士もすべてフランス人だったそう。 台湾新幹線 700T型 台湾新幹線 車内 総統府日本統治下の1919年に完成。赤レンガと白い花崗岩のコントラストが美しい、ルネサンス様式の建物。高さ60mの塔には台湾初のエレベーターが設置され、当時最先端の建築物でした。上から見ると「日」の字の構造で、これは耐震面も考慮しているそう。内部は日本語が堪能なボランティアの老人がガイドしてくれます。 総統府 中正紀念堂蒋介石のメモリアルホールとして造られ、2007年に中正紀年堂から名称を変更しました。入口への階段が89段あるのは、蒋介石の年齢と同数。1時間ごとに衛兵交代式が行われ、厳粛なムードに包まれます。 中正紀念堂 青天白日満地紅の花壇 衛兵交代式 台中(タイチュン) Taichung 温暖な気候と緑豊かな大都会台中市政府台中は台湾第3の都市。日本統治時代の都市計画により、美しく整備された街並みが有名です。バロック様式の台中市政府(市役所)は1924年竣工で、台北の総統府を手がけた森山松之助の設計。正面から見ると白く塗り替えられていますが、中庭に回ると総統府のような赤レンガの外壁が見られます。向かいには1921年竣工の旧台中市役所、現市政資料館があります。 台中市政府 市政資料館(旧台中市役所) 彰化扇形車庫台中近郊の彰化には、台湾で唯一の扇形機関庫が残っています。1922年に建設された古いものですが、地元民や鉄道ファンの呼びかけで保存が決まりました。転車台を中心に12本の車庫が放射状に建てられ、日本製の蒸気機関車も数台保管されています。将来は産業遺産として鉄道博物館に整備される予定。 彰化扇形車庫 扇形機関庫 日本製 蒸気機関車 製糖鉄道(サトウキビ列車)製糖が盛んだった時代、台湾には製糖会社がサトウキビ運搬用に敷いた鉄道が、網の目のように駆け巡っていました。畑から工場へサトウキビを、工場から町へ製品を運ぶ専用線でしたが、そこで働く人々や家族の交通手段でもあったそう。 サトウキビ列車 日月潭台中から車で2時間ほどの日月潭は、台湾最大の淡水湖。周囲を高い山々に囲まれ、朝夕、そして四季折々、一時も同じ表情を見せない幻想的な景色で知られています。北の湖畔に建つ文武廟は中国宮殿様式の廟。文の神である孔子、武の神である関羽らが祀られ、8mもある巨大な獅子が本殿を護っています。対岸にある玄奘寺は、西遊記で有名な三蔵法師(玄奘法師)の霊骨が祀られています。 日月潭 日月潭・中心街 玄奨寺 嘉義(チアイー) Chiayi 熱帯と亜熱帯の分岐点北回帰線標塔北緯23度27分4秒51、東経120度24分46秒5の位置にある、北回帰線を示す塔。線から南は熱帯、北は亜熱帯となります。夏至の日の正午に北回帰線上に立つと、太陽が真上から射すため、自分の影がなくなる現象が体験できるそう。園内には太陽系の縮小模型や天文展示館が併設され、子どもが楽しく天文学に触れられる施設となっています。 北回帰線標塔 石棹嘉義縣の阿里三郷は高山茶と呼ばれるおいしいお茶の産地。中でも石棹地区のお茶は「阿里山珠露茶」と呼ばれ、人気の高い品種です。海抜1000m以上の高地が育むお茶は、香りは甘く口当たりもまろやか。また、激しい寒暖差により茶葉の旨みが濃く、8煎前後まで楽しめるそうです。 お茶畑 茶摘み 高雄(カオシュン) Kaohsiung 世界屈指の扱いを誇る港湾都市打狗英国領事館哨船頭山の頂上に建つルネサンス様式の洋館。1865年の清朝時代に、打狗英国領事館として建てられました。市内の西洋建築物としては最も古く、現在は歴史展示館として一般公開されています。三方を海に囲まれた眺望が素晴らしく、カフェスペースから西子湾を眺めながらのティータイムも素敵です。 打狗英国領事館 前金天主堂台湾で最初のカトリック教会。1859年にスペイン人宣教師が、布教に際して小さな教会を建てたのが始まり。現在の姿に再建されたのは1931年ですが、祭壇に掲げられた聖母像は教会設立当時にスペインから贈られたものです。ゴシック様式とロマネスク様式を融合させた尖塔建築で、内部も装飾性に富み、台湾一美しい教会と称されています。 前金天主堂 旧高雄港駅港から最も近い駅、経済発展に大きく寄与した旧高雄港駅は2008年にその役目を終えました。使われなくなった貨物線は現在、サイクリングロードとして整備されています。ロード沿いのあちこちに駅の歴史を語る説明板が設置され、砂糖などの積み下ろしで賑わった往時をしのぶことができるそうです。 旧高雄港駅 旧高雄港駅 線路跡
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