映画

夕陽のあと

貫地谷しほりと山田真歩、ダブル主演の社会派ヒューマンドラマ。幸せな家族の前に訳ありの女性が現われる。ひとりの子どもをめぐり生みの母と育ての母、２人は葛藤する。

「ビッグ・リバー」の舩橋淳監督による原案を嶋田うれ葉が脚本化し、「アレノ」の越川道夫監督が映画化。独特の雰囲気を持つ漁業の町、鹿児島県長島町を舞台にした物語は、1年前に島にやって来た、貫地谷が演じる茜と、山田が演じる地元に住む五月のほのぼのとした交流を描く前半から、五月の里子をめぐる問題が持ち上がってからシリアスに転じる後半まで、貫地谷と山田の息詰まる演技合戦に思わず引き込まれてしまう。里子・豊和を演じる松原豊和の達者ぶりに驚かされ、海に沈む夕日など、美しい風景に癒やされる。